ブルガリア語の文字はキリル文字で、ロシア語で使う文字とほぼ同じです。発音について一文字ずつ解説していきます。
<<ブルガリア語のアルファベット順>> 上段:大文字、下段:小文字
А Б В Г Д Е Ж З И Й К Л М Н О П Р С Т У Ф Х Ц Ч Ш Щ Ъ Ь Ю Я
а б в г д е ж з и й к л м н о п р с т у ф х ц ч ш щ ъ ь ю я
(上の文字をクリックして、各々の解説にジャンプすることもできます。)
# 要注意の発音には赤色で”???”マークをつけてあります。
# 単語の例では、アクセントのある所を太文字&黒色にしてあります。
大文字 /
小文字 / [発音:日本語カナ表記 / 発音:英語表記]
А / а / [ア / a]
英語のarmやheartのaの発音に近いですが、長く「アー」と伸ばす音ではなく「ア」です。
ただし、アクセントがаにある場合は多少長めに発音されることがあります。
単語の例:
маса
[マサ/masa]
(テーブル/table)
Б / б / [ブ / b]
bathやbearのbの音です。
単語の例:
брат
[ブラット/
brat]
(兄・弟/brother)
В / в / [ヴ / v]
visitやvoiceのvの音です。
単語の例:
врата
[ヴラタ/vrata]
(ドア/door)
Г / г / [グ / g]
goやgetのgの音です。
単語の例:
година
[ゴディナ/
godina]
(年/year)
Д / д / [ドゥ / d]
deskやdinnerのdの音です。
単語の例:
десет
[デセットゥ/
deset]
(10)
Е / е / [エ / e]
eggやenterのeの音です。
単語の例:
бебе
[べべ/
bebe]
(赤ちゃん/baby)
Ж / ж / [ジュ??? / zh???]
英語のzでもjでもない音ですが、しいて言うならusualやluxuriousのジュの発音に近いです。
私見ですが、フランス語のジュの音(「ボンジュール」など)に似ていると思います。
(厳密には英語のjobやjustの"j"とは異なる音で、英語のこのj音はブルガリア語では"дж"と書かれて区別されています。)
単語の例:
желая
[ジェラヤ/
zhelaya]
(願う、望む/wish, desire)
З / з / [ズ / z]
zoneやzooのzの音です。
単語の例:
захар
[ザハル/
zahar]
(砂糖/sugar)
И / и / [イ / i]
ifやimportのiの音です。
単語の例:
или
[イリ/
ili]
(---か、または/or)
Й / й / [短いイ / i(short)]
и よりも短いイ。ふつうは母音 а の後か、母音 о の前に置かれて用いられます。
母音 а の後に置かれる場合、 ай は「アイ」と発音されます。
母音 о の前に置かれる場合、 йо は「ヨ」と発音されます。
この「ヨ」は、含まれる単語の最初に出てくるようです。例えば「ヨルダンカ」などの人名。
単語の例:
майка
[マイカ/
maika]
(母/mother)、
Йорданка
[ヨルダンカ/
Yordanka
(英語表記上 "Iordanka" と書かれることもあります)]
(ヨルダンカ:女性の名前/Yordanka: a woman's name)
К / к / [ク / k]
keyやkindのkの音です。
単語の例:
куче
[クチェ/
kuche]
(犬/dog)
Л / л / [ル / l]
leftやlikeのlの音です。
単語の例:
лице
[リツェ/
litse]
(顔/face)
М / м / [ム / m]
makeやmonthのmの音です。
単語の例:
много
[ムノゴ/
mnogo]
(たくさんの、とても/many, (very) much)
Н / н / [ヌ / n]
nextやnorthのnの音です。
単語の例:
но
[ノ/
no]
(しかし、でも/but)
О / о / [オ / o]
oftenやoriginのoの発音に近いですが、これも長く「オー」と伸ばす音ではなく「オ」です。
ただし、アクセントがоにある場合は多少長めに発音されることがあります。
単語の例:
одеяло
[オデヤロ/
odeyalo]
(毛布/blanket)
П / п / [プ / p]
parkやpleaseのpの音です。
単語の例:
понеделник
[ポネデルニック/
ponedelnik]
(月曜日/Monday)
Р / р / [ル??? / r???]
英語表記上は仕方なく"r"と書かれますが、英語のrよりはスペイン語の巻き舌のrr音です。
日本人にとってはもっとも発音しにくく、聞き取りにくい音(単語の最初じゃなくて途中にあるとますます л (L エル)の音なのか р (R アール)の音なのか判別しにくい)かもしれません。
単語の例:
работа
[ラボタ/
rabota]
(仕事、職/work, job)
С / с / [ス / s]
schoolやsoundのsの音です。
単語の例:
сестра
[セストラ/
sestra]
(姉・妹/sister)
Т / т / [トゥ / t]
takeやtotalのtの音です。
単語の例:
такси
[タクスィ/
taksi]
(タクシー/taxi)
У / у / [ウ / u]
bookやfullのuの音です。
単語の例:
успех
[ウスペフ/
uspeh]
(成功/success)
Ф / ф / [フ / f]
familyやfileのfの音です。
単語の例:
февруари
[フェブルアリ/
fevruari]
(2月/February)
Х / х / [フ??? / h???]
英語表記上は仕方なく"h"と書かれますが、hとはかなり違う音です。上あごの内側と舌のすき間から強く空気を「ハッ」と吹き出して、唾が飛びそうなかんじです(笑)。
私見ですが、フランス語の"r"の音に似ていると思います。例えば「et cetera/エトセトラ」は「エトセテハ」、「merci/メルスィ」は「メッフスィ」のように聞こえます。
単語の例:
хляб
[フリャブ/
hlyab]
(パン/bread)
Ц / ц / [ツ / ts]
catsやlotsのtsの音です。
単語の例:
цвете
[ツヴェテ/
tsvete]
(花/flower)
Ч / ч / [チュ / ch]
childやchurchのchの音です。
単語の例:
чанта
[チャンタ/
chanta]
(かばん、バッグ/bag)
Ш / ш / [シュ / sh]
sheepやshowのshの音です。
単語の例:
шоколад
[ショコラドゥ/
shokolad](チョコレート/chocolate)
Щ / щ / [シュトゥ / sht]
上のshに"t"の音をくっつけた音です。
単語の例:
щастлив
[シュタスリフ/
shtaslif]
(幸せな/happy)
<注>文字をそのまま発音するとシュタストゥリフになりますが、真ん中のtの音はほとんど発音されないのでシュタスリフと書いています。
Ъ / ъ / [アとウの中間音 / the sound in between "a" and "u"]
earthやcircleに含まれるアの音に近いですが、これも長く「アー」と伸ばす音ではなく「ア」です。
英語表記上は"a"と書かれることがほとんどで、ブルガリア語表記を見ないと ъ なのか а なのかわかりません。
単語の例:
път
[パットゥ/
pat]
(時、〜回/time(s))
Ь / ь / [短いイ??? / i(short)???]
о と一緒に ьо の組み合わせで使われ、発音は「イオ」ではなく「ヨ」になります。
この「ヨ」は、 йо と違って語頭に出てくることはありません。
単語の例:
актьор
[アクテョール/
aktyor]
(俳優/actor)
Ю / ю / [ユ / yu]
youのyuの音です。
単語の例:
ютия
[ユティヤ/
yutiya]
(アイロン/iron)
Я / я / [ヤ / ya]
yardのyaの音です。
単語の例:
ябълка
[ヤバルカ/
yabalka]
(りんご/apple)
#
ш と
щ が活字だと紛らわしい。すごく微妙なので、間違い探しなみの注意力要(笑)
#
ц と
ч も見た目と発音が似ていて紛らわしいですが、慣れるとパッと判別できるようになります。
#
ъ と
ь は見た目は似ているけど、
ь は常に
о とのコンビ
ьо で使われるので、それ以外は
ъ と思って間違いないでしょう。
# 「単語の例で太文字&黒色がついてないのがあるけど、つけ忘れたの??」と思ったあなたは鋭い! アクセントは母音につくものなので、братのように母音が一つしかない単語はそこ以外にアクセントのつけようがないのです。日本語カナ表記に頼ると惑わされてしまうので、なるべくブルガリア語の文字そのものを見て発音できるようにしてみましょう。
<<初級編を超えて、ちょびっと応用編>> 上に書いたブルガリア語のアルファベットを一通り覚えるまでは、この応用編↓を読むとますます混乱してしまうので無視してください。
−筆記体だけでなく、活字でもレタリングによっては д = g 、 и = u 、 п = n 、 т = m になっていることがあるので要注意です(例えば本や新聞記事によってはдесет(deset)がgecemと印刷されていたりします。うーん、なんだかパズルのように難しいですねぇ!?)。